サービス業の本質とは一体なんだろうか?
サービス業は、単純に
“お客様目線”
を徹底することではない。
まずはこのことを理解しておかなくてはならない。
サービスを提供する上で、一番大事にしなければならないのは、そのサービスを提供する側だ。
まずは、サービスを提供する立場の人間が、満たされた状況でなければ、他者にサービスを提供することはできない。
サービスを提供する立場の人間が、全く満たされていない状況では、例えばお客様に「感謝」を求めたり、「承認」を求めてしまう。
サービス業は、お客様から何かを求める仕事ではない。
あくまでサービス業は、お客様にサービスを提供するのが仕事だ。
だから、その仕事に対して、「ありがとう」や「いい仕事するね」等といった評価を求めてはならない。
そこをしっかりと認識していなければ、サービス業の仕事とは言えないのだ。
サービス業は、人と関わることが好きな人に向いている仕事と言われている。
もちろんその側面はあるが、人と関わることで、満たされていない自分を満たそうとするタイプの人であれば、その人は本質的にサービス業には向いていない。その人が、いくら人と関わることが好きだと思っていても、サービス業としての仕事はできないのだ。
お客様から「感謝」や「承認」を得られれば、誰でも当然うれしい。
しかし、うれしいからと言って、お客様に「感謝」や「承認」を求めてしまうのは、サービス業として失格なのだ。
サービス業の本質とは、そのことをしっかりと認識したうえで、自分を満たすことのできる人、自分の機嫌をとれることが前提条件で、そのうえで、他者にサービスを提供できる「余裕」のある人ができる仕事であるということだ。