サービス業は見返りを求めない

 サービス業で見返りを求めることはご法度だ。

 例えば、サービスを提供したことに対して、

「ありがとう」という感謝の言葉をお客様に求めてはいけない。

「せっかくいいサービスを提供しているのに、ありがとうのひとつもないのか・・・」

 こんな考えのサービス業はあり得ない。

「お客様からの見返りなんて求めてない」とお考えのサービス業の方も是非一度自分に問うてみて欲しい。

「自分はお客様に見返りを求めてないか・・・」と。

 サービス業は、何か目に見えるものを作り出しているわけではない。サービス業は、具体的には目に見えないものを提供している。ただし、「提供する」という点では全て同じだ。

 つまり、「与える」ということだ。

 「与える」ことは、自分の身を削ることにもつながる。削ってでも「与える」ことで、人はそこに価値を見出す。だからといって、サービスを提供して、

「これだけ削っているのだから見返りが欲しい」

という欲求はなくさなければならない。

 サービス業は、サービスを提供できること自体に価値を見出す高次な仕事だ。

 だから、サービス業に携わる方々は、自分たちの仕事に高い誇りをもって取り組むことができる。

 サービス業に携わる方々の心掛け次第で、高貴な仕事にも卑しい仕事にもできてしまう。

 サービス業は見返りを求めないということが、サービス業として成立させるための必要条件だ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です