「もし自分に介護が必要になったら・・・」
こういう悩みは誰もがもっているが、その一方で実際に介護が必要になるまで自分の介護について事前に考えることはあまり浸透していない。
元気な時はお酒をたくさん呑んだり、たくさん好きなものを食べたりして、欲のままに過ごしていては自分を大切にしていることにはならない。
自分を大切にするためにも、介護について自分の考えを明確にしておくことがとても大事だ。
「自分もいつかは介護を受けるのかな・・・」
このように漠然と捉えるのではなく、
「できる限り介護を受けることなく、自分の力で自分のケアをしたい」
そういった見方が自分を大切にすることに繋がる。
介護は、通常他者から受けるケアを指す言葉として用いられる。
しかし、本来介護は、介護を受ける本人によってデザインされたものでなければならない。
そもそも介護が必要な人が、自分自身について考えなければならない。自分のことは当然自分で判断したい。
介護は、誰かにおまかせではなく、自分で自分のことをケアするというのが本質だ。
そのうえで、どうしても他者による支援が必要な時に提供されるものが介護でなければならない。
しかし、介護を受ける本人にとって必要最低限の支援を受けるのが本来であるのにもかかわらず、現状の介護は、認定された介護度に応じた一定のサービスを提供されるだけで、自分で判断する機会を奪われてしまっている。
介護は、しばしば過干渉になりがちである。
セーフティーネットの色合いが強いために、個別性が担保されていないのが現状だ。
介護サービスはもっと必要な部分とそうでない部分を明確にしなければならない。
同時に、わたしたちは、自分のこととして介護を捉え直さなければならない。
常に、自分の健康に配慮しなければならないし、自分の介護について自分自身で考えておかなければならない。
それこそが、自分を大切にすることだ。
「面倒くさい」とか、「介護について考えるのはまだ早い」と考えて何も行動しないのは自分を大切にできていない証拠だ。
自分を大切にすることで、後悔のない人生を送ることができる。
日々の努力を怠って、後々後悔しても後の祭りだ。