自分の人生を生きる

 自分の人生を生きていれば必ず敵ができる。

 自分の人生を生きていれば必ず人から嫌われる。

 つまり、嫌われている人は、その人自身の人生を生きられていることになる。

 逆に、人から嫌われることなく敵が全くいない人は、その人の人生を生きられていないことの証なのだ。

 自分の人生を生きたいというのは誰もが願うことだと思う。

 その一方で、敵をつくりたくないという思いもある。

 しかし、それは両方手にすることは不可能なのだ。そんなに都合の良い話はない。

 自分の人生を生きたいのであれば、敵を避けることはできない。

 敵をつくりたくないのであれば、その人は自分の人生を生きられない。誰かの人生を生き続けなければならない。

 二兎を追う者は一兎をも得ず。どちらかを選び、もう一方は望みを捨てなければならない。

 それでは、自分の人生を生きたいと思った時に、敵とどう向き合うかが問題となる。

 答えは、関わらないということだ。

 敵とは関わるべきではない。無駄な労力を消費するだけだ。

 敵と関わろうとすることは、相手を変えたいという期待の感情があることになる。

 敵を味方に変えようと努力することは、敵の人生を生きてしまっていることになる。いつの間にか自分の人生を敵に与えてしまっているのだ。

 虚しい話だ。

 敵とは一切関わらない。これを徹底すれば、いくらか気持ちが楽になってくる。

 自分の人生を生きるためには、敵と一切関わらない。

 自分の感情に正直でいること。

 それが腑に落ちれば、少し肩の荷が下りた気持ちになってくる。

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