虐待する福祉職員の感覚は他の職員にも潜んでいる

 福祉職員による虐待は、決してその職員だけに問題があるのではない。

 福祉施設全体が抱えている

異常性

が根本的な問題なのだ。

 その異常性とは、

感覚が麻痺している

ということを意味する。

 何の感覚かというと、サービス業としての福祉職員としての感覚はもちろんのこと、人としての感覚さえも失っているケースがある。

 そして、そのような感覚の麻痺した職員が新たに入職した職員を教育していくのだから、麻痺した感覚は当然連鎖されていく。

 連鎖の成れの果ては、その福祉施設に勤務する職員全員の感覚が麻痺した状態となることだ。

 そこで発生した虐待事案において、ただその職員への対応を行っただけでは、何の根本的な改善にもならない。

 それでは研修不足が原因か?

 研修を充実すればそれで済む問題か?

 そんなことは絶対にない。

 問題は根深い。

 本当に意味のある虐待防止対策を行うのであれば、事業所全体が覚悟を持って臨まなければならない。

 小手先の対応では、水にほんの一滴インクを落とす程度で、全く状況は変わらない。

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