親の介護は義務?

 親の介護は義務だという話を耳にする。

 これは、血族内において経済的に支援が必要な者を支えないといけませんよというルールを根拠としている。

 つまり、親が高齢者になり経済的に支援が必要になった段階で、血族内である子どもなどが親の経済的なサポートをしなければなりませんよといった考え方だ。

 しかし、今の世の中、子ども自身経済的に安定した状況でいられるのが困難な中で、果たして親の経済的な支援までできるだろうか。

 余裕のある範囲で支援しなければならないといっても、自分自身の生活を投げうってまで親の介護をしていては一気に家族崩壊だ。

 昨今話題となっている介護離職は、そこに問題の本質がある。

 つまり、先行き不透明な経済状態の現代社会において自分自身の生活を成り立たせるだけでも大変な状況の中、自分以外の家族までサポートしなければならないというのは破綻への道を突き進んでいるとしか言いようがない。

 正直に言って、親は今までのキャリアもあるのだから高齢期になっても自分の生活は自分でデザインしていかなければならない。

 この厳しい世の中で、子どもに頼るのはあまりにも酷ではないだろうか。

「小さい時にあれだけ尽くしたではないか・・・」

 そう親から言われれば子どもは

「支援しなければ」

という気持ちになる。

 そうして介護離職をしたり、自分たちの生活費から親への介護費に回すのは、結果として子どもの生活の質を下げていくことに繋がる。

 親の立場の方は、ぜひそういうことを踏まえて自分の介護をあらためて考え直さなければならない。

 自分の子どもの生活が立ち行かなくなってでも自分の面倒を見てもらいたいだろうか。

 現代は、定年退職後は悠々自適で安泰という世の中では全くない。

 セカンドキャリアをしっかりと考えなければならないのだ。

 もっともそのためのツールは既にあふれかえっている。

 セカンドキャリアを楽しく自分の人生をかみしめながら経済的な支援も必要ないくらい稼げるビジネスはたくさんある。

 誰かが支えてくれるという考え方ではなく、楽しみながら自分で成り立たせるという力強さが全世代に共通して必要なマインドだ。

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